海外のオーディオマニアのためのフォーラムhydrogenaudioで、Archimago氏の呼びかけでMQAとハイレゾPCMの「どちらが良い音質に聴こえるかを確かめる」リスニングテストを実施され結果が発表されました。
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MQAの超概要
MQAとは音源ファイルサイズを従来のハイレゾ音源より劇的に小さくしつつ、ハイレゾ音源と同様の音質を確保する技術のことです。
詳しい技術の内容は省きますが、MQAでエンコードされたリニアPCMは、以下のような性質を持つようになります。
- MQA対応製品で再生するとハイレゾ品質で再生される
- MQA非対応製品で再生するとCD品質で再生される
詳しい方であればHDCDに似ているものを感じたかと思います。MQAの場合は、HDCDより大幅に高音質な352.8kHz/24bitという高スペック再生も行うことができます。
テストの内容
テストは2017年7月15日から9月8日に、インターネット上の有志により行われました。やったことは簡単で、単に聴き比べを行うだけです。
比較には2Lレーベルの音源が採用され、MQAコアをデコードし96kHz/24bitでFLAC圧縮されたもの、オリジナル音源をダウンコンバートして96kHz/24bitでFLAC圧縮されたものが採用されました。
楽曲は以下の3つが採用されています。
- Arnesen: Magnificat 4. Et miseracordia: (~1:53 sample)
- Gjeilo: North Country II: (~2:00 sample)
- Mozart: Violin Concerto in D maj (Allegro) [Original 2006] (~2:00 sample)
まだ音源があるので、気になる方は実際に試してみると良いでしょう。
INTERNET BLIND TEST: MQA Core Decoding vs. Standard Hi-Res Audioの「Download the ZIP test package from one of the following」と書かれているところにリンクがあります。
テストの結果 曲別
MQA Core vs. Hi-Res Blind Test Part II: Core Resultsに詳細な結果が載っています。ここでは、わかりやすいところだけをご紹介します。
自分で聴き比べて答え合わせできるように、MQA音源かハイレゾ音源かについては文字を反転すると結果がチェックできるようになっています。
Arnesen: Magnificat 4. Et miseracordia: (~1:53 sample)の比較結果
83名の被験者のうち、58%がサンプルBの方が音が良いと回答しました。サンプルBはハイレゾ音源になります。
そのうち、多数の43%が違いがなんとなく判ったと答えており、次いで25%がだいたい違いを判別できたと答えています。
筆者はこの音源に関しては明確に違いが判りました。
Gjeilo: North Country II: (~2:00 sample)の比較結果
83名の被験者のうち、58%がサンプルAの方が音が良いと回答しました。サンプルAは M Q A 音源になります。
興味深いのは、そのうち37%が違いが全く分からないと答え、次いで36%が違いがなんとなく判ったと答えています。
Mozart: Violin Concerto in D maj (Allegro) [Original 2006] (~2:00 sample)の比較結果
83名の被験者のうち、58%がサンプルBの方が音が良いと回答しました。サンプルBは M Q A 音源になります。
興味深いのは、そのうち34%が違いが全く分からないと答え、次いで33%が違いがなんとなく判ったと答えています。
テストの結果 総合
曲別の結果を集計したところ、MQAコアをデコードし96kHz/24bitでFLAC圧縮されたもの、オリジナル音源をダウンコンバートして96kHz/24bitでFLAC圧縮を良いと答えた比率は、ほぼ半分ずつとなりました。
MQAはハイレゾ音質と言っても良いという解釈ができます。データ容量上はMQAの方が情報が少ないはずですが、人間の耳はデータ容量とは関係ないところを感じているようです。
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