AppleがiOS 11をリリースしてiPhoneやiPad(以下、iOS端末)がFLACに対応しました。これでほぼすべてのデバイスがFLAC再生に対応したことになります。
今まで筆者は、iOS端末での音楽再生を使っている関係でALACを使ってきましたが、これからはFLACをメインに使う方針で考えています。
FLACとは?
FLACはFree Lossless Audio Codecの略になります。まだPCのハードディスク容量が少なく、ロスレスが使われることが少なかった時代に開発されました。
今ではハイレゾ音源サイトの最も標準的なフォーマットとして使われています。
FLACの公式サイト:https://xiph.org/flac/
ALACに対するFLACの優位性
しかしながら、iOS 11からiOS端末でFLACの再生が対応したことから、iOS端末でALACを選ぶ必要性は薄れてしまいました。その理由をご紹介します。
以下は、海外のマニア向けオーディオ情報サイトhydrogenaudioのWiki:Lossless ComparisonからALACから見たFLACの優位性を抜粋して日本語訳したものになります。
- エンコード/デコード速度がALACと比べて高速である
- 僅かであるが、圧縮率がALACと比べて高い
- エラー耐性がある(ALACにはない)
1と2の理由は、高スペック化した現在のコンピュータ事情ではFLACを使う決定打とはなりませんが、圧縮率はアルバムを大量に管理する環境だと差が積みあがっていくと意外と大きな差になるのではと感じています。
そして、最も重要なのが3のエラー耐性があることだと考えています。エラー耐性があるということは、ファイルが少々破損したくらいでは再生不能にならないということを意味します。対して、ALACはエラー耐性に関する機能が盛り込まれていないため、ファイルが破損したら破損した部分がノイズとして聴こえたり、最悪の場合再生不可能になる場合があります。
iOS端末(iPhoneやiPad)で使う場合の注意点
iOS端末でハイレゾのFLACを再生する場合、音源の性能が十分に活かしきれないことにご注意ください。
iOS端末に内蔵されているDACが48kHz/24bitまでにしか対応していないため、これ以上のスペックのハイレゾFLACを再生しても強制的に48kHz/24bitにダウンコンバートされてしまいます。iOS端末がFLACに対応したからとは言え、ハイレゾFLACがフルスペックで再生できるわけではないのです。
そのため、48kHz/24bit以上の音源をお持ちの方がiOS端末でFLACを再生したい場合、音源ファイルを48kHz/24bitまでダウンコンバートして転送するのが、容量と音質のバランスが最も取れた選択肢となります。
なお、本記事執筆時点は、iPhone 8/8 Plusがリリースされたばかりで、iPhone Xはまだになります。これらのDACの性能はまだ明るみになっておらず、48kHz/24bitよりスペックの音源に対応しているかは不明になります。
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