以前SACDのリッピングでDSDデータを取得するネタ帳という記事を書きましたが、この段階では初期型PS3によるSACDリッピング方法が完全に確立されており、まだPioneer (BDP-80FD, BDP-160)については情報が散乱していました。
以前から筆者は、SACD Ripping using an Oppo or Pioneer? Yes, it’s trueというフォーラムの内容を追いかけていましたが、情報量が多すぎて負いきれなくなっていました。最近たまたま閲覧したタイミングで、体系的に情報がまとめられていましたのでご紹介したいと思います。
また、著作憲法に触れる可能性があるので、本記事に紹介されている手順を試す場合は「平成24年通常国会 著作権法改正」についてを読んだ上で、実験目的に留めてください。
Contents
BDP-80FD, BDP-160でSACDをリッピングする手順の元ネタ
この元ネタは、Computer Audiophileの「SACD Ripping using an Oppo or Pioneer? Yes, it’s true」というスレッドになり、2016年7月から今日にかけてずっと賑わっているスレッドになります。
今回は88ページ目の投稿で、hagis999氏が内容をまとめていました。まとめられたオリジナルの内容は、以下のURLになります。
https://www.dropbox.com/s/13mq5pihw0enoqy/SACD Image Creation Process for Pioneer BDP-80FD.txt?dl=0
BDP-80FD, BDP-160でSACDをリッピングする手順
この手順は
SACDをISOファイルとして取り込み、そこからDSFファイルを抽出するステップになります。誤訳の可能性もあるので、念のため前述のオリジナルの内容も確認してください。
テキスト内では、対象機種をBDP-80FDと表記していますが実際はBDP-160も対応しているようです。
しつこいようですが、くれぐれも自己責任で行ってください。
Pioneer Elite BDP-80FD側のセットアップ
- BDP-80FDのセットアップ画面で、自動再生と自動再開機能を無効にする。
- BDP-80FDのセットアップ画面で、WPSを使用してWi-Fiに接続する。
- BDP-80FDのセットアップ画面で、動的IPアドレスの割り当てを無効にする。
- BDP-80FDの電源を切り、すべてのUSBデバイスを取り外す。
Windows側のセットアップ
- USBドライブをFAT32ファイルシステムでフォーマットする。ドライブにラベルが付いている場合は8文字未満にする。
- SACD-extract-BDP160.zipのAutoScriptフォルダを使用する。詳細は、以下の通り。
AutoScriptフォルダをzipアーカイブからFAT32フォーマットのUSBドライブのルートにコピーする。zipアーカイブのAutoScriptフォルダには、3つのファイル(Autoscript; Autoscript.TSS; sacd_extract_160)が含まれている。USBドライブにはそれ以外のファイルがないようにする。 - Windows PC上に短い名前のローカルフォルダを作成する。
- sacd_extract_0.3.8_WIN32.zipの実行可能ファイル “sacd_extract.exe”を使用する。
手順3で作成したローカルフォルダにexeファイルを配置する。この時点で、sacd_extract.exeを絶対パスで実行しなくても良いように、手順3で作成したフォルダにパスを通しておく。 - Windowsの”ネットワーク”を開き、BDP-80FDが見えるようにしておく。
SACDリッピング手順
- 電源を切ったBDP-80FDの前面USBスロットにFAT32 USBドライブを挿入する。
- BDP-80FDの電源を入れ、ディスクトレイを開く。
- SACDを挿入し、BDP-80FDのディスプレイにSACDが挿入されたことを確認する。
- Windows PCでコマンドプロンプトを起動する。
- カレントディレクトリをWindows側のセットアップ手順3で作成したフォルダに移動する。
- Windowsの”ネットワーク”を開き、BDP-80FDの右アイコンをクリックする。BDP-80FDのIPアドレスをメモする。
- 次のコマンドを実行する。
.\sacd_extract -i <手順6でメモしたIPアドレス>:2002 -P -I
(例: .\sacd_extract -i 192.168.1.154:2002 -P -I) - SACDのISOイメージがWindows側のセットアップ手順3で作成したフォルダに作成される。
- バッチスクリプトとsacd_extract.exeを使い、ISOイメージからDSFファイルを取り出す。
捕捉1:Autoscript フォルダの構成
Autoscriptフォルダには3つのファイルがあります。2つのファイルにはファイル拡張子がありません。
特定のPioneer製BDプレイヤーに対して、SACD-extract-BDP160.zip に含まれるファイルを使用してください。
- Autoscript
- Autoscript.TSS
- sacd_extract_160
現行バージョンのsacd_extract.exeを使用してください。 (備考: 2017年3月現在の現行バージョンは、0.3.8_WIN32.)
捕捉2:sacd_extract.exeの使い方
使い方: sacd_extract [オプション] [出力ファイル] (v0.3.8_win32) オプション: -2, --2ch-tracks : 2チャンネルトラックでエクスポートする (デフォルト) -m, --mch-tracks : マルチチャンネルトラックでエクスポートする -e, --output-dsdiff-em : Philips DSDIFF(Edit Master)形式のファイルで出力する -p, --output-dsdiff : Philips DSDIFF形式のファイルで出力する -s, --output-dsf : Sony DSF形式のファイルで出力する -t, --select-track : 選択したトラックのみ出力する (例:-t 1,5,13) -I, --output-iso : RAW ISO形式で出力する -c, --convert-dst : DSTをDSDに変換する -C, --export-cue : CUEシートをエクスポートする -i, --input[=FILE] : データ入力元を指定する (ex. -i 192.168.1.10:2002) -P, --print : ディスクやトラック情報を表示する ヘルプオプション: -?, --help : ヘルプメッセージを表示する --usage : 使用方法の概要を表示する
Delitan says
BDP-160 ですが、ファームウェアを最新版にアップデートすると、
ハイブリッドSACD盤を入れてもCD盤としてしか認識してくれないことはないですか?
シングルレイヤー盤のSACDはSACDとして表示され再生できるのですが、
ハブリッド盤を入れてもCDDAとしか表示されないのです。
ディスクを空にして、SACDの読み取り層をリモコンでSACD_2CHとか指定しておいても、
CDDAとしか出てこないのです。
katgum says
他のハイブリッドSACDを入れてみて同様であれば何らかの不具合なので、メーカーに問い合わせになるかと思います。そうでなければ、純粋にディスクの不具合かと思います。
私はBDP-160を保有していないので、それ以上のところまでは判りません。
あくまでも一般的な事象での回答となりますことをご容赦願います。