前回は「8.音源に関する理解(DSD基礎)」を見ていきました。今度はDSDの再生方法にどのようなものがあるのかを見ていきます。
DSDの再生方法は3種類
- リニアPCMに変換して再生
- DSDネイティブ再生:DSD Native
- DSDネイティブ再生:DoP (DSD over PCM)
リニアPCMに変換して再生
DSDをリニアPCMに変換して再生する方法になります。この方法では、DSD NativeもDoPも使えない場合に、再生アプリ上でDSDをリニアPCMに変換します。
変換が生じるため、変換においてある程度の音質低下が生じます。とはいえ、DSD自体が十分に高音質であるため、音質低下があったとしても十分なレベルの音質を確保できます。
DSDネイティブ再生
DSDを変換なしにそのまま再生するのがDSDネイティブ再生になります。
DSD Native
ASIO 2.1を使いDSDデータをDACに送り、DAC側でDSDを処理して再生する方法になります。ASIO 2.1はWindowsだけで利用できるものになるため、Macは後述のDoPを使った再生が基本となります。
DoP (DSD over PCM)
DSDデータをリニアPCMのフレームに格納し、そのデータをDACに送り、DAC側でフレームからDSDデータを取り出して再生する方法になります。
筆者は実際に聴き比べをしたことがないので断言はできませんが、DoPのようなフレームにDSDデータを格納/取り出す処理がない分、DSD Nativeの方が音が良いように感じたというレポートもあります。
機器の対応方式に要注意
最近のDACはいずれのDSDネイティブ再生の方式に対応している場合が多いですが、購入の際は処理できるDSD再生に関するスペックに十分に注意してください。
特にDoPの場合は、DSD Nativeより処理できるDSDファイルのスペックが制限されている場合が多いため、お手元のDSDファイル再生をカバーできるか確認しておくのが良いでしょう。例えば、お手持ちのDSDファイルがDSD128(5.6MHz/1bit)の場合、DSD64(2.8Mhz/1bit)までしか対応していないDACでは、そのままの音質でDSDファイルを再生できることができなくなってしまいます。
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