前回は「7.音源に関する理解(ハイレゾ音源)」についてみていきました。今まで見てきた音源はパルス符号変調(PCM: Pulse Code Modulation)という方式でデジタル化している音源についてでした。最近オーディオ業界でもてはやされているDSDは、考え方がPCMと異なる音源になります。
DSDとは?
DSDではPCMと異なる考え方で音をデジタルデータにします。
音は正確には縦波であるため、音が伝わる媒体には粗である部分と密である部分ができます。粗密波ともよばれます。DSDは、音の粗と密をデジタルの0と1で表現したものになります。
デジタルにおける表現が0か1と単純であるため、DSDのビット数は0になります。その分サンプリング周波数が非常に高く、最低でも2.8MHzのサンプリング周波数になります。
DSDの音源スペック
DSDの音源スペックは、以下の通りになります。
- DSD64 :2.8MHz/1bit (SACD音質はここになります)
- DSD128 :5.6MHz/1bit
- DSD256 :11.2MHz/1bit
- DSD512 :22.4MHz/1bit
DSDを再生するためには
前述の通り、DSDはPCMと異なるため直接PC上で扱うことがでません。Windowsが標準でDSDの扱いに対応していないからです(筆者はMacについての事情は分かりません)。
そのため、DSDをPCを使って再生するには、リニアPCMに変換して再生するようにするか、DSDをUSB DAC側で直接処理して再生(DSDネイティブ再生)する必要があります。PCM変換をすると、変換の過程である程度の音質のロスが発生するので、理想はDSDネイティブ再生になります。
次回予告
次回は、DSDの再生方式になります。
今回の内容で触れたとおり、DSDはCDなどのPCMと呼ばれる方法でデジタル化した音源と全く考え方が異なるものになります。そのため、再生がほかの音源より特殊である程度の考慮が必要になります。
次回の記事:PCでオーディオ環境を整えるための第一歩:9.DSDの再生
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