前回は「6.音源に関する理解(サンプリング周波数・ビット数)」についてみていきました。この内容を踏まえると、やっとハイレゾ音源についてわかるようになります。ハイレゾとは、ハイレゾリューション(高解像度)の略になります。
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ハイレゾ音源の定義
その定義では、以下のように定められています。日本オーディオ協会の説明が分かりやすいので抜粋します。
アナログ信号に関わること
- 録音マイクの高域周波数性能: 40kHz以上が可能であること。
- アンプ高域再生性能: 40kHz以上が可能であること。
- スピーカー・ヘッドホン高域再生性能: 40kHz以上が可能であること。
デジタル信号に関わること
- 録音フォーマット: FLAC or WAVファイル96kHz/24bitが可能であること
- 入出力I/F: 96kHz/24bitが可能であること。
- ファイル再生: FLAC/WAVファイル96kHz/24bitに対応可能であること。
(自己録再機は、FLACまたはWAVのどちらかのみで可とする)- 信号処理: 96kHz/24bitの信号処理性能が可能であること。
- デジタル・アナログ変換: 96kHz/24bitが可能であること。
聴感に関わること
- 生産若しくは販売責任において聴感評価が確実に行われていること。
- 各社の評価基準に基づき、聴感評価を行い「ハイレゾ」に相応しい商品と最終判断されていること。
- なお、この項は、前項との択一とはしない。
要はCDより音質が良ければハイレゾということになります。これも同様のページからの転載になりますが、緑の部分がハイレゾになります。
補足になりますが、CDと全く同じ音質は44.1kHz/16bit、DVDビデオと全く同じ音質は48kHz/24bitになります。図ではCDクオリティとして同様に扱われています。
具体的な音源スペック
筆者がいろいろなハイレゾ音源を扱っていた結果、だいたい世の中には以下のスペックの音源が出回っているようです。
共通しているのはビット数は24bit以上になるということです。
- 44.1kHz/24bit
- 48kHz/24bit
- 88.2kHz/24bit
- 96kHz/24bit
- 176.4kHz/24bit
- 192kHz/24bit
これらのスペックのハイレゾ音源は、インターネットのダウンロード販売サイトを通じて入手することができます。主にFLACやALACなどの可逆圧縮形式で配布されています。
44.1kHz/16bitと44.1kHz/24bitでも大違い
たまに44.1kHz/24bitのハイレゾ音源について、CDの音源スペック44.1kHz/16bitとサンプリング周波数が変わらないので音質が低いと主張する方がいます。
実はビット数が8違うだけで、デジタルで表現できる「その瞬間の音のデータ」はCDと比べ、2の8乗倍(つまり256倍)細かくなります。
ビット数が増えるだけで音の細かさが格段に上がるということを押さえていただければと思います。
次回予告
次回は、DSDについて見ていきます。
DSDはハイレゾ音源の一つなのですが、CDなどのPCMと呼ばれる方法でデジタル化した音源と全く考え方が異なるものになります。それ故、再生に様々な面倒が付きまといます。
次回の記事:PCでオーディオ環境を整えるための第一歩:8.音源に関する理解(DSD基礎)
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