ハイレゾに手を出したがいいものの、最初に再生したのはWindows Media Playerだったという方も多いのではないでしょうか。
当サイトでは過去に「Windows Media PlayerをPCオーディオで使わない方が良い3つの理由」という記事を書いている通り、基本的にWindows Media Playerでの再生はお勧めしておりません。
しかし、ハイレゾに手を出したばかりの場合、手持ち機器など環境の関係でどうしても有効な再生ができないかもしれません。その場合、せめて少しでもマシになる程度にするための設定方法をご紹介します。
Contents
初期設定だとWindows Media Playerではハイレゾ出力できない
過去に書いた記事「Windows Media PlayerをPCオーディオで使わない方が良い3つの理由」にあるように、Windows Media Playerではカーネルミキサーを経由して音が出力されるため、ハイレゾか否かはカーネルミキサーの出力設定によって決定します。カーネルミキサーの初期設定では、出力は44.1kHz/16bitになっています。CD音質であるローレゾになり、ハイレゾではないのです。
つまりは、カーネルミキサー側の出力設定をいじればWindows Media Playerでハイレゾ出力できるということになります。
同じ理屈で、iTunesやWebブラウザから出力される音も初期設定の場合はハイレゾではありません。Webブラウザでハイレゾ再生する機会はまだ稀ですが、すでにハイレゾで再生できるコンテンツは存在しています。
例えばデジタル・コンサートホールのハイレゾ・ストリームでは、上記の理由から多くの人がハイレゾで聴けていたと思い込んでいると思われます。
カーネルミキサーの出力を変更する
カーネルミキサーの出力は、簡単に変更することができます。注意点として、この設定を変更すると、カーネルミキサー経由の音はすべてハイレゾスペックで再生されます(だからと言って、音が良くなるとわけではない)。
まず、コントロールパネルを開きます。表示方法を「大きい(or小さい)アイコン」に変更したら、「サウンド」をクリックします。
現在の再生に使っているオーディオデバイスを選択して「プロパティ」をクリックします。もし、デバイスが複数あってどれを選べばよいか分からない場合は、Windows Media Playerで音楽を再生させて、右横の緑のゲージが上下しているものを選択します。
既定の形式で一番値の高いものを選択します。筆者の環境では「2チャネル、24ビット、96000 Hz (スタジオの音質)」が最も選べる高い値でした。念のため「テスト」をクリックしてスピーカーから音が出力されるか確認をした後「OK」をクリックします。
Windows Media Playerの再生から抜け出したい方は
あくまでもここで紹介している内容は、どうしてもWindows Media Playerで再生せざるを得ない場合の、応急処置的な内容です。きちんとハードウェアやソフトウェアを揃えて、ハイレゾ音源を再生できるようにすることを強くお勧めします。詳しくは「PCでオーディオ環境を整えるための第一歩」のシリーズで技術的な基礎内容の解説を行っているので、是非この機会にご覧ください。
- 1.はじめにお読みください
- 2.PCオーディオのメリット・デメリット
- 3.音源再生のために用意するもの(ハード編)
- 4.音源再生のために用意するもの(アプリ編)
- 5.音源に関する理解(可逆・非可逆)
- 6.音源に関する理解(サンプリング周波数・ビット数)
- 7.音源に関する理解(ハイレゾ音源)
- 8.音源に関する理解(DSD基礎)
- 9.DSDの再生
- 10.非可逆圧縮の音源ファイルの音質を確保するには
- 11.デジタル出力
- 12.音源ファイルの「タグ」
コメントを残す