以前「プロの視点からみたWAVとFLACの音質差についてのコラム」という記事が未だによく読まれていますが、その元ネタの記事を書いているBlue Coast RecordsレーベルのCookie氏が、今度はLANケーブルについての音質差に関するコラムを掲載しました。
Cookie氏はレーベルの創始者であり、プロデューサーでもあり、チーフエンジニアでもあります。音楽の現場に携わるという性格上、一般人よりも耳が繊細である可能性が極めて高い方です。
肝心のコラムはDSD-Guide.comの「Can Ethernet Cables Makes a Difference? We test to find out!」で読むことができます。
コラムでは、詳しい機器構成やLANケーブルがどのようなつながれ方をしているかまでは書いていませんが、DSD256のミキシングを行う状況であったことを考えると、DSDをNASのようなネットワークストレージに置き、PCを使ってアクセスする環境だったと推測されます。
そこに書いてある内容を要約すると以下の通りになります。
- ミキシング環境のLANケーブルをPatrick(同僚?)が交換したことが発端で、音質差があることに気が付いた。そこで目隠しによる聴覚テストを行った。
- カテゴリー5のケーブル(何年も使っていたもの)と700ドルするケーブル(カテゴリーについては言及されておらず)を比較したら後者の音質の方が良かった。
- カテゴリー5のケーブルの音の方が曇っており強弱が弱かった。
- 700ドルするケーブルは、音量が若干小さく、音の広がりがあった。
Cookie氏の見解では、700ドルするケーブルの方が音質が良く、その差は明確に区別できると断定しています。Cookie氏本人は、最初はLANケーブルで音質差なんて出るわけがないと思い込んでいたそうです。他のエンジニアからは頭がおかしいと思われるかもね・・・と締めくくっています。
捕捉
LANケーブルの種類はカテゴリーに分けられ、流通しているカテゴリーは5から7まで存在します。厳密には、5, 5e, 6, 7と4種類が存在しています。
カテゴリーの値が上がるほど、電磁ノイズへのシールド耐性が増し、広帯域な信号を伝送できるようになるため、より高速な通信が可能となります。
カテゴリー5では100Mbpsの速度までしか伝送できないのに対し、カテゴリー7では10Gbps(=10,000Mbps)までの伝送ができます。
ケーブルのカテゴリーにより、どれだけの伝送性能差があるのかは、LANケーブル種類・カテゴリーによる通信速度比較(ベンチマーク)を見ると分かりやすいかと思います。
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