Windowsには標準でWindows Media Player(以下、WMPと表記)というメディア再生アプリがついています。特に設定を行っていない場合、メディアファイルをクリックするとこのアプリで再生が始まります。
このアプリは、必要最低限のメディアファイルの再生に使うことはできますが、PCオーディオでは使わないほうが良いです。
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この記事を書くきっかけ
その人は、PCオーディオをするつもりがないのでそれで良いのですが、良いDACを持っている場合は、WMPを再生で利用するとその性能を活かしきることができません。
世間におけるメディアファイルの再生は、せいぜいWMPかiTunesを使う程度になっているのではないかというのが、筆者がその時に感じたことでした。
Windows Media Playerの良い点
これからWMPのネガティブな内容ばかりを書いていくので、最初に良い点を箇条書きで書いておきます。
- オーディオ特化アプリではないので、総合的なメディアの再生が可能。
- FLACやALAC、WMAロスレスなど、メジャーな可逆圧縮(ロスレス)の形式のCD取り込みや再生に対応している。
- HDCDの再生に対応している。(設定で有効化する必要あり)
Windows Media PlayerがPCオーディオに向いていない理由
Windows Media PlayerがPCオーディオに向いていない理由は、大きく3つがあげられます。
拡張性に乏しい
他の再生アプリと同じく、WMPにもプラグインで拡張できる機能はついています。しかし、現状WMPのプラグインはないも同然のレベルで本記事を作成している2017年5月6日時点でプラグインは5種類しか存在しておらず、かつ時代のニーズにあっていません。
DSDに対応していない
ここ最近PCオーディオの要件として求められるようになったDSDへの再生対応ですが、WMPではDSDに対応していません。
音質が悪い
最も致命的なのがこの点になります。WMPでメディアアイルを再生すると、音は「カーネルミキサー」で処理され、その後DACなどのオーディオ機器に送られることになります。
カーネルミキサーは、WMPで処理される音の他、システム上の効果音などがミキシングしてオーディオ装置に出力するため、WMPで再生される音楽は一度加工された音となってしまいます。つまりは、正しい音が鳴らないということになります。
以下の図に示される通り、理想は「WASAPI排他モード」か「ASIO」を経由してミキシングを回避する必要がありますが、WMPはこれらに対応していないため、どうしても音質が悪くなってしまうのです。
結局どのアプリを使えば良いのか
このように書くと、「どのアプリを使えばよいのか?」という疑問に行き着くと思います。
音楽再生の観点でWASAPI排他モードやASIOに対応している再生アプリを以下に列挙します。特に優れているものは、後日個別記事を作って取り上げていきます。
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